AWSの新CEOアダム・セリプスキー氏は「re:Invent」で何を発表するのだろうか?11月29日開催

TechCrunch Japan

1年で最も魅惑的な時期がやってくる。いや、これから始まるホリデーシーズンのことではない。来週から始まる、AWSの年に一度のユーザー向け祭典「re:Invent」のことだ。このカンファレンスは、新機能や新製品が大量に発表される、毎回ニュースの多いイベントだ。AWSにとっては、プレス、顧客、パートナー、その他の関係者を集めてラスベガスでパーティーを行うときでもある。2021年は新たな趣向が凝らされている。

2020年は新型コロナウイルスの影響でバーチャルイベントとして開催されたが、2021年はラスベガスに戻ってきたことに加え、新CEOのAdam Selipsky (アダム・セリプスキー)氏が指揮を執る初めてのre:Inventとる。

セリプスキー氏は、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏がAmazon(アマゾン)CEOを退任して取締役会長に就くことを発表し、ベゾス氏の後任として元AWS CEOのAndy Jassy(アンディ・ジャシー)氏がAmazon CEOに昇格した後、2021年初めにTableau(タブロー)からやってきてAWSの新CEOに着任した。

関連記事
アマゾンのベゾス氏が退任、新CEOにAWSトップのアンディ・ジャシーが就任
Tableauのアダム・セリプスキー氏が古巣AWSに戻りAmazonの新CEOジャシー氏に代わりに同社を率いる

経営陣のイス取りゲームがひと段落し、セリプスキー氏は今回のre:Inventでメインの基調講演を行うことになったが、彼が前任者の後釜を務めるのは大変だろう。ジャシー氏には、自分の会社の膨大な製品カタログを頭の中で整理し、それらすべてがどのようにつながっているのかを、即興のように語れるという不思議な能力があった。同じようなことをするのは容易ではない。

しかし、ジャシー氏は、Tableauの元幹部が自分の後継者になることを従業員に知らせるメールで、セリプスキー氏には彼自身の個人的な強みがあることを指摘している。

「アダムは、強い判断力、顧客中心主義、チームビルディング、需要創出、そしてCEOとしての技能を、すでに非常に強力なAWSの首脳陣にもたらすことになります。また、彼はかつてAWSで11年間、このような上級職に就いていたため、当社の企業文化とビジネスをよく理解しています」。

それは確かにすべて事実であり、彼が現在引き継いで運営している会社は、しっかりと市場を支配しているが、このような成功にもかかわらず、セリプスキー氏はAWSに自身の印を押し、ビジネスのやり方に手を加える準備を整えている可能性を示す徴候も見られる。

関連記事:第3四半期のクラウドインフラ市場は年20兆円規模に、チップ不足でも減速せず

例えば、先週Bloomberg(ブルームバーグ)が報じたところによると、セリプスキー氏はMicrosoft(マイクロソフト)やGoogle(グーグル)のクラウド作戦帳を参考にして、業界に特化したソリューションにもっと集中しようと考えているという。ジャシー氏の支配下では、このような戦略を避け、より総合的なアプローチを好み、具体的な対応はパートナーに任せるというやり方を採っていた。

スポンサーリンク


セリプスキー氏は、TableauがSalesforce(セールスフォース)に買収された後、短期間在籍したSalesforceが業界主導のソリューションアプローチを好んでいたことから、AWSにとってもこれが良い方法であると確信したのかもしれない。しかし、それ以上に、彼が自分の指揮下でAWSを変えるつもりかどうかは明らかにしていない。もしかしたら来週には何かを変えようとするかもしれないし、あるいはまだ壊れていないもの、直す必要のないものを見極めているのかもしれない。

セリプスキー氏へのアドバイスを求めると、業界関係者の中にはすぐに答えてくれる人がいた。

Constellation Research(コンステレーション・リサーチ)のアナリストであるHolger Mueller(ホルガー・ミューラー)氏によれば、セリプスキー氏にまず最初にアドバイスしたいことは、AWSの増え続ける製品群を、よりシンプルで範囲を絞ったカタログに縮小することだという。「CTOたちは、開発者の創意工夫に頼らざるを得ないようなソリューションを避け、バージョン番号やロードマップが点と点を結ぶプラットフォームを提供しようとしています」と、ミューラーは語る。

第2に、ミューラー氏はクラウドの販売に関して、より企業に優しいアプローチをとること、つまりGoogleやマイクロソフト、あるいはIBMやOracle(オラクル)に寄せるやり方を提案している。同氏はさらに、Googleが行ってきたように、経験豊富な企業幹部をできれば採用することを提案し、特に、2018年にOracleから来たThomas Kurian(トーマス・クリアン)CEOや、2019年にSAPからグローバルクラウドオペレーションの社長として着任したRobert Enslin(ロバート・エンズリン)氏などの名前を例として挙げた。

Moor Insights & Strategy(ムーア・インサイツ&ストラテジー)の創業者で主席アナリストのPatrick Moorhead(パトリック・ムーアヘッド)氏は、いくつか異なる提言をしている。同氏は、Googleやマイクロソフト、Adobe(アドビ)などに対抗するために、スタックを上げてより多くのSaaSアプリケーションの開発に着手することを提案。さらに、競合他社が主導権を握ろうとしているハイブリッドにも進出して欲しいと考えている。

とはいえ、現在でもAWSは絶大な成功を収めており、直近の四半期報告書では161億ドル(約1兆8500億円)もの収益を計上している。しかし、セリプスキー氏自身は先週、BloombergのEmily Chang(エミリー・チャン)氏によるインタビューで、このような優れた競合他社が自分の会社を追いかけてきている中で、この成功がいつまでも続くと期待して安穏としているわけにはいかないと語っている。

「自分たちが反乱軍であるかのような行動を続け、現職者のような行動を始めないようにすることが本当に重要です」と、セリプスキー氏はチャン氏に語った。

それはともかく、今回のre:Inventで、セリプスキー氏はAWSの顔として初めての出番を迎え、メインの基調講演を行う。ジャシー氏の直属とはいえ、セリプスキー氏は彼自身で、この収益性の高い部門を成長させ続けるために何が重要だと考えているかを強調するだろう。それが何か大きな変化をともなうかどうかは、来週になればわかるはずだ。

画像クレジット:Ron Miller/TechCrunch

原文へ

(文:Ron Miller、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Source: TechCrunch Japan

スポンサーリンク


TechCrunch Japan
Ron Millerをフォローする
笑いは世界を救う
タイトルとURLをコピーしました