GMが配送業者向け新事業部起ち上げ、商用EVバンと電動アシスト付きパレット発表

TechCrunch Japan

GMはFedEx(フェデックス)をはじめとする法人顧客に、電気自動車とコネクテッド製品のエコシステムを提供する新事業部を立ち上げた。これは同社が電気自動車メーカーの主導的な企業となるために、270億ドル(約2兆8000億円)を投資する野心の最新の取り組みだ。

「BrightDrop(ブライトドロップ)」と呼ばれる新事業は、バーチャルで開催されたCES 2021の期間中、米国時間1月12日に正式発表が行われた。まずは航続距離250マイル(約400km)の「EV600」と呼ばれる電動バンと、「EP1」と名づけられたポッド型電動パレットの2つの主要製品からスタートする。

BrightDropは他の製品も念頭に置いており、複数台のEP1電動パレットを輸送できる中距離車両や、緊急配送用車両などのコンセプトも開発中ということが、12日に発表された。

画像クレジット:GM

だが、この取り組みは車両のみにとどまらない。GMは商用車市場にEVのエコシステムを提供するためのソフトウェアツール群も開発している。また、販売とサービスをサポートするためのディーラーネットワークを構築し、商用車の顧客が充電インフラを設置するのを支援する計画だ。

GMによると、ウェブサイトやモバイルアプリからアクセスできるクラウドベースのソフトウェアプラットフォームは、ユーザーに最適な配送ルートやその他のフリート管理機能など、業務改善に役立つ情報を提供するという。電動バンとパレットには、位置監視、遠隔からのバッテリー状態チェック、リモート解錠 / 施錠など、より便利に顧客が車両を監視・管理するために設計された様々なコネクテッド機能が搭載される予定だ。

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BrightDropはこれまでOnStar Insurance(オンスター・インシュアランス)、OnStar Guardian(オンスター・ガーディアン)、GM Defense(GMディフェンス)の起ち上げにつながったGMの社内組織であるGlobal Innovation(グローバルイノベーション)からスピンアウトした最新の「スタートアップ」だ。BrightDropのCEO兼社長には、Redpoint Ventures(レッドポイント・ベンチャーズ)のアントレプレナーインレジデンスだったTravis Katz(トラビス・カッツ)氏が就任した。

BrightDropのアイデアは、GMのグローバル・イノベーションのチームが、電子商取引の成長と新型コロナウイルスの感染拡大によって悪化したオンライン配送に対する消費者の需要を評価していたことに端を発する。

「最初の1マイル(約1.6km)から文字通り最後の5フィート(約1.5m)まで、配送と物流における需要と課題について知れば知るほど、電動化、モビリティアプリケーション、テレマティクス、車両管理などの分野におけるGMの専門知識を活用し、企業がよりスマートで持続可能な方法で商品やサービスを移動できるようにする機会であることが分かってきました」と、GMのグローバイノベーション担当副社長のPam Fletcher(パム・フレッチャー)氏は、発表前のメディア向け説明会で語った。

GMの予測によれば、この機会はかなり大規模なものだ。2025年までに、米国における小荷物配達、食品配達、リバースロジスティクスの市場機会は、合計で8500億ドル(約88兆円)以上になるとGMは見積もっている。世界経済フォーラムによると、都市部でのラストマイル配送の需要は2030年までに78%増加し、世界の上位100都市で配送車両の36%増加につながると予想されている。この需要増加によって、配達による二酸化炭素排出量は30%以上増加すると予想されている。

EP1

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同事業部の第一弾製品は「EP1」と呼ばれる近距離の荷物搬送を目的に開発された電動アシスト付きパレットだ。このパレットは、たとえば倉庫から配送用バンまで商品を何度も往復輸送するために使うことができるだろう。2021年初頭に発売 が予定されている。

EP1には電気ハブモーターが内蔵されており、最高時速3マイル(時速約4.8km)までの移動が可能。ポッドの速度は、これを押すオペレーターの歩く速さに応じて調整される。

GMによると、EP1は狭い空間で操作することを想定して設計されており、約23立方フィート(約650リットル)のカーゴスペースを持ち、最大200ポンド(約91kg)の荷を積むことができる。ポッドの内部には調節可能な棚板とロック可能なドアが備わり、輸送中の積み荷にリモートでアクセスできるようになっている。

FedExは先日、EP1の試験的プログラムを完了した。GM によると、FedEx Express(フェデックス・エクスプレス)の宅配業者はEP1を導入したことで、1日あたり25%増の荷物を安全に取り扱うことができたとのこと。

BrightDropとFedEx Expressは、今四半期中にも米国の主要都市で試験的な運用を実施する予定だ。

EV600

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この電動宅配バンは、GMのEV戦略の中核となる「Ultium(アルティウム)」アーキテクチャをベースに設計・製造された車両。2021年末よりFedExに最初の納車が始まる予定だ。BrightDropでは、2022年初頭より受注を開始し、より多くの顧客にEV600を提供できるようになると予想している。

EV600は、一度の満充電で250マイル(約400km)ほどの距離を走行可能になる見込みだ。120kWのDC急速充電器を使えば、1時間の充電で最大170マイル(約274km)の距離を走行できるとGMはいう。

内部に備わる荷室の容量は600立体フィート(約1万6990リットル)以上と広大で、荷物を安全に保つためのセキュリティシステムが付属する。運転席には対角13.4インチのフルカラーインフォテインメントスクリーンや、フロントのスライド式ポケットドアを装備。ワイドなキャビンはウォークスルーが可能で、荷室との間には自動で大きく開くドアが備わる。

この商用電動バンには、前後のパークアシストや自動緊急ブレーキ、車線逸脱警報など、GMの乗用車に見られる多くの運転支援技術が標準装備されている。さらに前方衝突警報、先行車との車間距離表示機能、歩行者検知ブレーキ、自動ハイビーム切り替え機能、高精細な後方視界カメラなども標準で装備される。

顧客がさらなる安全機能を求めるのであれば、後方の横方向から迫る車両を検知して自動的にブレーキを作動させるリアクロストラフィックブレーキ、ブラインドスポットを監視して危険があれば自動で操舵を補助するブラインドゾーンステアリングアシスト、後退時の自動ブレーキ、車両の周囲を映し出すHDサラウンドビジョン、後方歩行者検知警報、カメラに加えてレーダーも併用することで全速度域で作動するエンハンスドオートマチックエマージェンシーブレーキなどもオプションで装着可能だ。


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カテゴリー:モビリティ
タグ:GM、FedEx、ロジスティクス、CES 2021、電気自動車

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Source: TechCrunch Japan

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